言わずと知れたインド最大の外貨獲得産業です。
ITソフトウェアといいますと、ソフトウェアの開発と
その関連サービスを思い浮かべがちですが、今、インドの
ITソフトウェア産業で急速に伸びているのは、
ITを利用した遠隔処理などのサービスです。
具体的には、ITES(IT Enable Services)と呼ばれる業務で、企業のバックオフィス業務やコールセンターサービス、データ管理、コンテンツ開発、市場調査などのITを利用した付加価値の高い業務受託サービスです。
なぜ、インドでITESが、成長したかといいますと、
欧米とインドとの時差を利用することで、実質的
に年中無休24時間体制でサービスが提供できること。
英語が話せて、しかも優秀な人材が
豊富にいるということがあります。
また、人材コストが安いこともその一端としてあげられます。
インドを紹介するテレビ番組などで、
アメリカのクレジットカード会社のコールセンター事業を、
インドでインド人がこなしている様子を見たことが
ある人も多いのではないでしょうか?
最近では、競争が、激しくなる一方、
日本の企業との関係を強化しようとインド政府とIT企業双方が、
躍起になっています。
また、業界的には、
中でもハイテク企業や通信会社からの研究開発に関連した
アウトソーシングを獲得することに力を入れています。
代表的な企業としましては、
ニューヨーク市場に米ドル建ての
ADR(米国預託証券)を上場する有力企業の
2004年8月に上場した老舗財閥タタ・グループの
タタ・コンサルタンシー・サーピシス。
インドでは、タタ・コンサルタンシー・サーピシスは、
以前から「キング・オブ・IT」と呼ばれていました。
プレムジー会長率いる、元石けんメーカーのウィプロ
ナラヤン・マーシー会長率いる、
ITだけで成長した財閥として有名で、金融、
通信業界の顧客に強みのあるインフォシス・テクノロジー
製造業の顧客に強いサティアン・コンピュータがあります。
これら3社は、1999年の世界的なIT相場のときに、
大きく値上がりした銘柄としても知られています。